僕の BTM(Bed Top Music)環境 (その4・プラグイン音源)
さて、プラグイン音源を紹介しよう。
かつて、部屋一杯に鍵盤付きの物やラックマウントタイプの物やら必要だったが、今は全てパソコンに内蔵できる。便利な世の中になったものだ。
DAW ソフトに組み込む形で動作するソフトを「プラグイン」と言うわけだが、音源がプラグインだと、非常に便利なことがある。
それは曲ごとに使う音の設定が全て、自動的に曲のファイルに保存されていることだ。
DAW ソフトで曲を開くと、すぐに音源もエフェクターも起動し、前回保存した時の状態になる。
以前は、音色データを保存したカートリッジやカードを探して差し込んだり、曲の頭に記録したパッチチェンジやエクスクルーシブなどのデータをパソコンで流して読み込ませたりしなければいけなかった💦
サンプラーはフロッピーディスクや zip ディスクを読ませたり、DAT テープにバックアップしたデータを流し込んだり…。
ミキサーも繋ぎ替えたり、曲を流しながらフェーダーやパンや EQ やエフェクトセンドツマミを、はたまたエフェクターのツマミを調整したりメモリーを呼び出したりして、あれ、前と同じにならないぞ、とかブツブツ言いながら、前回の再現に 30分くらい費やし…。
…まあ、昔の話は置いておき(^^;
UVI PlugSound Pro ソフトウェア音源コレクション【ダウンロード製品/国内正規品】
もし、お買い求めの DAW ソフトに GM 音源など、一通りの楽器の音が内蔵・付属していて、それがそれなりのクオリティーであるなら、これは不要だ。
「数々の賞を受賞した」という謳い文句だが、それは過去の栄光らしい(笑)
今はもっといい音源が出ている。
しかし、そこそこ低コストで一通りの楽器の音を揃えたいなら、これがお勧めだ。GM 音源のバンクも用意されている。
ただし、いくつかの楽器の特定の音に変な癖があったりして、使えない音もあるので、万能とは言いがたい。
「とりあえず」な音源だ。もう少し安いといいのだが…。
しかし、リッケンバッカーのベースや、ウィーリッツァーのエレピが入っているので、ビートルズのファンとしては、それだけのために買ってもいいくらいだ👍
さて、「PlugSound Pro」のオーケストラ系の音に満足できない方には、これがある。
UVI Orchestral Suite エッセンシャル・シンフォニック・オーケストラ・コレクション【ダウンロード製品/国内正規品】
オーケストラ楽器だけでなく、オルガン、ハープシコード、クラシックギター、合唱まで入っている。
なお、同じメーカーなので何となく想像できると思うが、上の「PlugSound Pro」に入っている音と基本的に同じ音源を使っているようだ(^^;
ただし、音のクオリティーが全然違うし、楽器ごとに専用の GUI 編集画面が用意されており、楽器に合った編集が行える。
音が入っていない低音の鍵盤(下の聴き比べ用の Sound Cloud の写真に見える、赤い鍵盤)で、スタッカート、サスティーン、トレモロ、ピチカートなど、同じ楽器の異なる奏法を切り替えられるようになっているのも面白い。これなら、コントロール類に乏しいシンプルな MIDI 鍵盤でも、演奏しながら切り替えができる👍
それでは、20年も前に鍵盤手弾きで雑に入力したままのデータ(笑)でオーケストラ音源を鳴らしてみたので、聴き比べてみよう。
曲は、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番変ロ短調 作品23番の冒頭部分だ。…と言ってもピンと来ないであろうが、あまりにも有名な、あの曲だ!
まずは参考までに(何の参考だ?)、「周辺機器」で紹介した Roland の SC-D70 の音。
「周辺機器」に書いた通り、なかなかではある。さすが Roland である。
特に、デジタルピアノを作っているメーカーなので、ピアノはいい!👍
しかし、その他の多くの音は、プロが堂々と使える音ではない。(笑)
次は、上に紹介した「PlugSound Pro」の音だ。
SC-D70 がいくら健闘しているとはいえ、これにはかなわないのは、おわかりだろう。
しかし、ホルンセクションの「ミ・ド・シ・ラー」(移動ドで表記)の「ラー」の音が「ホワ~」という感じになっていて、さすがに3回同じフレーズを繰り返すと、気になる(^^;
他にもこの曲では聴こえないが、オーボエにも変なクセのある音があり、ソロでは使えない💦
こんなので「Pro」と謳うのはどうかと思うが(笑)
しかし、ピアノはなかなかなものだ。高価なピアノ音源を買わなくても、充分使える。
そして、「Orchestral Suite」の音がこれだ。
なお、これにはピアノが含まれていないので、ピアノだけ「PlugSound Pro」の音だ。
上の「PlugSound Pro」と同じ音源を使っているのがおわかりだろうか? やはりホルンの同じ音が「ホワ~」と鳴っている(^^;
まあ、「PlugSound Pro」よりは気になりにくい感じではある。
しかし、同じ音源を用いていても、「Orchestral Suite」の方が音が良いのもおわかりだろう。特にストリングスの音の艶やかさは、こちらの方が遥かに勝る。サンプリングレートやサンプルの長さ(ループポイント)、キーグループなどが、「PlugSound Pro」よりも贅沢に設定されているのだ。
ただ残念なことに、これまたこのデモ演奏では聴こえないが、フルートの特定の音が、ループ設定がされていないようで、音が途中でプチッと切れる( ω-、) ぜひ、直して無償アップデートできるようにしていただきたいものだ。
もうひとつ残念なことがある。弱音器を付けた音が収録されていない!
僕は弱音器を付けた音が大好きなのだ。特に、(弱音器の本来の目的から考えると矛盾するようだが)弱音器を付けておいてフォルテで演奏する音! たまらない! ゾクゾクする! いずれ書くと思うが、幼児体験であるようだ。
ぜひ、追加した上で無償アップグレードできるようにして欲しい。(笑)
しかし、非常に嬉しいのは、地味な話ではあるが、第2バイオリンの音があることだ!
これは本格的に打ち込みをする人でないとわからないだろうが、第1バイオリンと第2バイオリンがユニゾンで演奏することが多々ある。
普通の音源ではバイオリンの音は1パートしか入っていないので、同じ音を重ねることになって、変な位相ズレを起こしてしまうのだ。
ちゃんと第2バイオリンの音があることによって、これを防ぎ、自然で重厚なサウンドを得ることができるのだ。
もうひとつ嬉しいことに、ポルタメントのオン・オフ切り替えが、サスティーンペダル(コントロール64番)でできることだ!
考えてみれば、ストリングスも木管も金管も、打ち込みするのにペダル情報は使わない。それを有用に活用できるのだ!
MIDI には、ポルタメントのオン・オフ信号が用意されているが、MIDI 鍵盤でコントロールするのは煩わしい(できない製品の方が多い)。それを、サスティーンペダルでできるのは、目からウロコだ!
ただ、ペダルオンの時にポルタメントがオフになり、ペダルオフの時にポルタメントオンになるのは、わかりにくいし、足が疲れる。(笑) 逆にして欲しかった💦
実際に自分の楽曲で使うのはこれから(まさに今日、これからだ(笑))だが、この聴き比べテストで、多少難点はあるものの、かなり使える音源だということがわかる。
そしてこれは、ビートルズファンとプログレファンには垂涎の楽器メロトロンを、実機をサンプリングして忠実に再現した音源だ!
そう、あの音↓が出せるのだ!(笑)
The Beatles - Strawberry Fields Forever - YouTube
現在制作中の曲でどうしても使いたかったので、購入した。
しかし、そのままでは「あの音」は出せない(^^;
ただのローファイ気味のフルートのサンプリングにしか聴こえないのだ💦
それには、「彼らはどうやって録ったんだろう?」と考える必要があるが、僕がどうやったか↓は企業秘密とする。(笑)
しかし残念なのは、せっかくの実機からのサンプリングなのに、余った鍵盤(上の動画の、低音部と高音部のグレーになっている鍵盤)に実機には入っているフレーズや効果音が収録されていないことだ( ω-、)(このように、余った鍵盤におまけの音を入れる風習は、後年のデジタルサンプラーの音源にも受け継がれている)
上記の「Strawberry Files Forever」のエンディングで聴こえる、不気味とも夢見るようなとも表現できるフルートの音は、フレーズを3つぐらい組み合わせて弾いたものと思われるが、それはこのプラグインでは再現できない。
あと、「Blackbird」のリンゴが弾いた靴音と、「The Continuing Story of Bungalow Bill」のイントロのスパニッシュギターのフレーズも、入っていない( ω-、)
ぜひともそれらを収録した上で、無償アップデート(笑)できるようにしていただきたいものだ。
僕が持っているプラグイン音源は、これだけである!(笑)
今後 BTM をやっていくのに、弾ける楽器で持っている楽器(エレキギター、アコギ、ベース)は弾く、グランドピアノは持ってないけど安く借りられる練習室を見つけたので、そこへ機材を持って行って弾く方針だ。(ドラムも叩けるが、レコーディングできるレベルではないので、打ち込む)
それに僕はあまりシンセの音は使わないが、Digital Performer 付属のアナログシンセのプラグインや、MachFive 3 に搭載されている多彩なシンセシス機能で充分そうだ。(今のところ)
だから、別途買うプラグインは、これだけでいいのだ。(今のところ)
まあ、お金があり余っていれば、あれも欲しい、これも欲しいはあるが。(笑)
なお、これら UVI 社に限らず、近年のダウンロード可能なソフト製品は、店頭でも通販でも購入できるが、パッケージの中には紙切れが入っているだけで、そこに書いてある20文字くらいの ID コードやらライセンスキーやらを Web で入力して登録してダウンロードすることになる。
他に日本代理店にも登録が必要になったりする。
…とても面倒くさい(^^;
UVI や 後述の WAVES など、メーカーのサイトにアカウント登録して(面倒な入力は初回だけ)、そこでダウンロードした方が簡単だし、安上がりだ。
(Amazon の商品ページにリンクを張っておいて、何だが(笑))