僕の BTM(Bed Top Music)環境 (その6・プラグインエフェクター第2回)
WAVES GOLD のダイナミクス系エフェクター
H-Comp
↑クリックすると、WAVES サイトの商品ページへ(以後同様)
これは日本代理店のメディア・インテグレーション社のページ。
詳しくはこのページで。(笑)
僕は、コンプレッサーはこればっかり使っている。他はほとんど使っていない。(笑)
「H-」が付く名前のエフェクターは他にも H-Delay というのもあるが、Hybrid という意味だ。
デジタルとアナログのハイブリッドだ。
「ANALOG」という謎のツマミがあるが、これを OFF にすると普通にデジタルコンプ。(そんなにデジタルくさくはないが)
1~4 にすると、それぞれキャラクターのあるアナログコンプに変身するのだが、WAVES 社はこれらの正体を明していない。
そこでいろいろな人が測定・分析しているが、具体的に何をモデリングしたかを推測したページは、↓これくらいだろうか。
僕は2しか使っていない。(笑)
1はヴィンテージらしくないし、3と4は歪んでしまってあまり使えない。
で、後からこのページを見つけて、2の正体を知った。
何と、あの有名なロンドンのオリンピック・スタジオで使われていた、Pye(パイ)というトランス式コンプをモデリングしたものだった(と推測される)!
オリンピック・スタジオはローリング・ストーンズが本拠にしていたスタジオだ(ビートルズも何回か使用した)。
ミック・ジャガーのボーカルに掛けたのと同じ(と推測される)コンプを、自分のボーカルにも掛けられるのだ!
ちなみにその単体プラグインは、別途 Kramer PIE Compressor として販売されているが、H-Comp を持っていれば不要だ(そして他の1・2・3も同様)。
この H-Comp ならツマミ類が同じままキャラクターを変えられるので、便利である👍
しかもアナログの音なのに、リリースを曲のテンポに同期させることもできる! 素晴らしい!👍
まあ、本当を言うと、アビイ・ロード・スタジオのコンプが欲しいのだが、これはプラグインになることはないだろう。
なぜなら、アビイ・ロード・スタジオのオリジナルのコンプ実機が販売されており、これが売れなくなることを恐れて、モデリングしたプラグインを販売することを許可しないだろうからだ。(笑)
一番安いモノラルコンプで、この値段だ!(笑)
話はそれたが、とにかくこの H-Comp はお気に入り中のお気に入りだ☺
さて、コンプは実はもうひとつ使っているので、紹介しておく。
Renaissance Compressor
Renaissance Compressor | Media Integration, Inc.
H-Comp でヴィンテージサウンドを得られるのはいいが、ドラム等もう少し現代風にシャキッとした音にしたい時、これを使っている。
まあ、H-Comp と EQ でもシャキッとするが、ちょっと力添えする感じだ。
全体的には「温かみのあるコンプ」という評価だが、いくつものモードがあり、オールマイティーなコンプである。
特に、OPT モードという、フォトカプラを再現したモードがあり、貴重だ。
ギタリストが大好きな、あのパキパキしたアタックが得られる!
ちなみに、WAVES には Renaissance と名の付くエフェクターが多数ある。
「クラシックなヴィンテージ・サウンドと、理想的なコントロール」が売りで、どれも秀逸だ。
では、コンプ以外によく使うダイナミクス系。
L1
リミッターだ。しかし、これは WAVES のサイトにも、日本代理店のサイトにも見当たらない💦
どうやら、L1 Ultramaximizer に L1 の機能が含まれているので廃止になった、あるいは、L1 Ultramaximizer とパッケージになっているようだ。(単体で買ってないので、その辺の事情はわからない…💦)
L1 Ultramaximizer | Media Integration, Inc.
まあ、普通のリミッターだ。(笑)
僕は各トラックの一番最後にこれを通すことが多い。
EQ やコンプをいじると、一時的に音量が上がってしまい、ミキサーのピークランプが点灯してしまうことがあるので、それを防止するためだ。いちいちクリックして消灯させるのが面倒なので(^^;
あとは、エレキギターのアタックが強すぎる時に、これでつぶしたりしている。
それと、トラックの最後に通していることを利用して、ミックス時に曲の途中で音量を上げ下げするのに、ミキサーのフェーダーではなく、この L1 の OUT CELLING というパラメーター(要するに OUTPUT LEVEL)をオートメーションで動かしている。
僕は、フェーダーはあくまで各トラックのバランスを取るのに使いたいので、曲の途中で動いて欲しくないからだ。(^^;
あと、よく使うのはこれだ。
C1 Gate
写真は2つ並べたもの。左はエキスパンダー、右はノイズゲートとして動作している。
これは C1 Compressor に含まれる3つのモジュールのひとつなので、WAVES サイトで検索しても見付からない。
C1 Compressor | Media Integration, Inc.
C1 Compressor は、ただのコンプレッサーではなく、ゲートとエキスパンダーとしても機能する、ダイナミクス系のマルチエフェクターだ。
ただ、使いにくい(数値を入力しないと設定できないパラメーターがある。やはり、画面でツマミやスライダーを動かしたい💦)ので、僕はコンプとしては使っていない。(^^;
ボーカル、コーラス、アコギ、ピアノなど、マイクでレコーディングしたトラックには、まずこれを2つ続けて通す(上の写真参照)。
歌っていない、弾いていない部分のノイズ(衣擦れ・靴音・リップノイズ・ブレス・押さえたり離したりした弦の音など)を低減・ミュートするためだ。
最初にエキスパンダーを掛け、必要な音はそのままに、ノイズだけが低減されるようにしっかり調整する。
ボーカル・コーラスでは子音が弱くならないように、楽器ではアタックやリリースが自然になるように注意する。
次にノイズゲートを掛け、低減されたノイズのうち、微少な音量の部分が完全に消えるようにするのだ。
こうしておけば、この後コンプでノイズが増幅されることを防げる。(ノイズゲートだけを掛けると、リリースがきれいに消えていかない💦 ちなみに、実機のコンプにはノイズゲートが付いている物があったが、コンプで増幅させた後にノイズを消そうとしても、上手く消せないので苦労した)
他、ギターアンプやテープレコーダーなど、シミュレート系のエフェクターを使った時は、必要だ。楽器が無音の時も、エフェクター自体がノイズを発生させるので、その直後にノイズゲートを掛けると良い。
最後は、とにかくすごいとしか言いようのないエフェクターだ!
MV2
これは、音量を揃えるエフェクターだ。
楽曲の中で、単体の楽器もボーカルも、ミックスされた音にも、音量のバラつきがある。
それをある程度整える必要がある場合が多いが、古くからその目的でコンプレッサーが使われてきた。
コンプにはフォトカプラ、真空管、トランス、トランジスターといった物理回路を用いてリアルタイムで処理する都合上、どうしても音色の変化と、掛かり方にタイムラグが生じる。
そういうわけで、コンプにはそれぞれのキャラクターがあり、好み・用途によって選ばれ、その音色変化とタイムラグを積極的に利用し、音作りに活用されてきたのだ。
しかし、音色を変化させずに音量を整えたいこともあるし、タイムラグのためにアタック音が圧縮されずにスルーされてしまうせいで、音量を整え切れないのは、困る、という場合もある。
昔はそれでも諦めるしかなかったのだが、デジタル技術の進歩により、「マキシマイザー」というプロセッサーが登場する。
これは、瞬間的に最大音量(デジタルの場合、0dB が最大音量…つまり、プラスの数値になると歪んでしまうということだ)になっているところはそのままにしておき(と同時に、処理をすることで 0dB を超えてしまうところは 0dB に留める)、それ以外のところの音量を上げる、という原理で、歪みや音色の変化を生じることなしに、「音圧」を上げるプロセッサーだ。
↑「音圧」の詳しい説明。
初期のマキシマイザーは、リアルタイムではなく、音声ファイルを時間を掛けて処理するものであったが、さらなるデジタル技術の進歩により、DAW ソフトに組み込んでデータを先読みし、処理することが可能になり、あたかもリアルタイムに処理するように振る舞うことができるようになった。
そのマキシマイザーについては後述することになるが、この MV2 はさらにマキシマイザーを推し進めて、単に全体の音量を上げるのではなく、大きい音を抑え、小さい音を上げるという処理を行うエフェクターだ。
前身の MaxxVolume を進化させたもので、操作性はシンプルになっている。
これは、トラック単体にも、バスにも、トータルのミックスにも使える。
これを知る前は、コンプ2度掛けをしていたが、これで先にある程度音量を整えておけば、コンプは1回で済む。コンプ感を抑えながら、音量のバラつきをしっかり整えられるのだ。
僕は試してみていないが、コンプの後にこれを掛けるのは良くないそうだ。
先にこれを掛けて、コンプを掛けよう。
とにかく、使ってみれば、これの素晴らしさがよくわかる!👍
次回は、ギター関係のエフェクターだ。