僕の BTM(Bed Top Music)環境 (その7・プラグインエフェクター第3回)
WAVES GOLD のギター用エフェクター
さて、今回は WAVES GOLD のギター用エフェクターを紹介しよう。
……しかし、ネットでブログなどをいろいろ検索してみると、ギタリストはアンプとギター用エフェクターの実機を揃えているので、プラグインは使わないという人が多いようだ。
ギタリストは自分の機材で自分の音を出せるようになっているものだ。
その上、DAW ではレイテンシー(発音遅れ)が起こるので、プラグインエフェクターを掛けた音をモニターしながら演奏するのは、なかなか厳しい💦 バッファサイズを可能な限り小さくして(512)やってみたが、見事にヨレヨレな演奏になった。(笑)
もちろん、超ハイスペックマシンならそれも可能だろうが、2.9GHz では厳しい💦 DAW ソフトにもよるのかも知れないが……。
……と思っていたが、その後騙し騙しやっていたら、2ミックスを作り、新規ソング(Digital Performer の場合)にコンダクタートラックと共にペーストし、エフェクターの使用をギターだけにすれば、バッファサイズ128で問題なくレコーディングできることが判明した!👍
こうしてレコーディングしたトラックを(編集までしてからでもよい)元のソングにペーストすればいい。多少手間だが、借金してまで高いパソコンを買わなくても済む(笑)
でも僕はバンドではベースを弾いていたので、持っているエフェクターは大したものではないし、アンプも持っていない。ベーシストは、プロにならない限り、アンプを所有しようとは思わないものだ。(と、思う)
BOSS のグラフィックイコライザーと SANZAMP(アンプシミュレーター)で音作りして、レコーディングではライン録り。練習スタジオやライブハウスでは備え付けのアンプで音を出していたが、作り込んだ音をストレートに出せるよう、調整するだけだった。アンプはほとんど、PAスピーカー扱いだった。(笑)
練習スタジオやライブハウスによく置いてある、トレース・エリオットのベースアンプのグラフィック・イコライザーなど、使ったことがない! 使わなくても済んだのだ。(笑)
ちなみにそのお気に入りの SANZAMP は、今は電源は入るが、ハムノイズ発生器と化してしまった……(´;ω;`)ウゥゥ
この SANZAMP はかなり使いこなして、Marshall っぽい音も Mesa Boogie っぽい音も、オンマイクの音もオフマイクの音も自在に作ることができた。
ただのアンプシミュレーターというより、立派なプリアンプで、むしろスピーカーとマイキングのシミュレーターという感覚だった。
これを18年前に使った音を聴いていただきたい。この曲の間奏のギターソロは、AKAI の サンプラー S3200 で出したクリーントーンのエレキギターの音を歪ませ、Marshall の音を再現したものだ。
この素晴らしいギターソロの打ち込みは僕ではなく、HASENOBU さんという方だ。ギターを弾く方だが、何と、打ち込みは何曲かやっていらっしゃったがほとんど初心者で、僕が作った MIDI 作品のチェロの超絶ソロを聴いて刺激を受け、このギターソロを打ち込んだのだった!
「オフコース風のギターソロを」と要望したのに、「デタラメに打ち込んだ」と言いつつ、見事にヴァン・ヘイレン風のライトハンド奏法を含むソロを送ってくれた。(笑)
ご本人曰く、「オフコースっぽく二拍三連符を使ったり、何ヵ所かツインリードにした」ということだが、何ともドラマチックな展開で、カッコイイ! 今聴いてもゾクゾクする!👍
ちなみに、この曲をライブで演奏する機会があり、彼は広島からわざわざ(このライブに出演するためにムリヤリ東京主張仕事を入れ(笑))駆けつけて弾いてくれたのだが、それにあたって、事前に「まさか実際に弾くことになるとは思わなかった(笑)。自分で作っておきながら、弾けない!(爆)弾けるようにアレンジして欲しい」とメールしてきた。(笑)
……関係ない話になってしまった。(笑)
とにかく、エレキギターは、打ち込みでも生演奏でも、クリーントーンで出しておき、ミックス時に曲に合った音作りをするのが良い、というのが、その時からの僕のやり方だ。
頼みの綱の SANZAMP を久々に引っ張り出してきたのに使えなかったので、WAVES GOLD に入っているギター用のエフェクターを使わざるを得なくなったのだが、これがまた秀逸なエフェクター群だったのだ。(だから、SANZAMP は修理に出していない(笑))
ギタリストは使わないだろうが、アレンジャーやエンジニア、そして宅録副業ギタリストには必需品と言っても過言ではない、素晴らしいエフェクターを紹介しよう。
ちなみに、「ギター用」と書いているが、これらはもちろんベースにも使える。
なお、これから紹介するエフェクターは、全て GTR 3 というバンドルにも含まれている。
まず必要なのは、チューナーだろう。
GTR Tuner
(写真下。上は Digital Performer 内蔵のチューナー)
クリップチューナーを持っているが、それはあくまで練習用だ。レコーディングの時はプラグインを使うと便利だ✌
写真上の Digital Performer 内蔵のチューナーは LED 式を模している(Hz と セントの+-が表示されるのは👍だ)が、写真下の WAVES のは針式なので合わせやすいし、画面が大きく見やすい。👍
針が水平に動くのは、ちょっと違和感があるが。(笑)
木製キャビネットがレトロで素敵だ。(^^)
ギター用のチューナーというより、むしろ昔のラジオのチューナーみたいだ(笑)
そして、エレキギターは、曲にもよるがエフェクターを多用するものだ。
全てを普通のプラグインで賄おうとすると、一つのトラックにエフェクターがズラッと並んでしまい、ミキサーが画面に表示しきれなくなる。(笑)
やはりギターのエフェクターは、ギタリストの足元のボードに収めた方が、スタジオの負担は減る。
そこで、これだ。
GTR Stomp 6
コンパクトエフェクターを6台収納できるボードだ。
2台用の GTR Stomp 2、4台用の GTR Stomp 4 もあるが、EQ と同じく上位互換性はないので、初めから6台用を使った方が無難だ。写真ではもっともらしく(笑)6台並べたが、空きスペースがあってももちろん構わない。
並べ方は、ギタリストの直感というか習慣というか、コンパクトエフェクター実機の構造に反して、左から右だ。(-_-;) 上の写真だと、コンプ→オーバードライブ→コーラス→……と信号が流れる。
実機のコンパクトエフェクターのジャックは、右が INPUT で左が OUTPUT なので、右から左に並べるものだ。ギターやベースの OUTPUT ジャックは、右利きの場合は奏者の体の右側にあるから、必然的にそうなる。
僕みたいに左利きなら、実機でもこう左から並べたかった💦
シールドを左から右へ、自分の前か後ろを回さなければならないからだ。そうすると、2・3歩動くと足に引っ掛かって転びそうになる💦
だから、途中で踏んだり触らなくても済むように入念に音作りしておいて、アンプの前に置いていた。やはり、世の中のあらゆる物は右利き用にできているのだ……( ノД`)
鉛筆だってそうだ。右手で持つと、「MITSU-BISHI - uni - HB」の文字がちゃんと読める。左手で持つと、文字が逆さになってしまうのだ( ω-、) ←いや、泣くほどのことではないが…(笑) それに、僕は右手で書くし。(笑)
ハサミだって、左手では切れない💦 力の入り方が違うのだ( ノД`)…まあ、僕はハサミも右だが。(笑)
それはともかく(笑)、並べたエフェクターの順番を変えるのは簡単だ。並べ替えたい1台をつかんで、左右に動かして、離すだけだ。空きがないところでも、ちゃんと2台の間に入って、他のが移動する。
プラグの抜き差しとか、AC アダプターのコードが絡まったりとか、そういう厄介なシミュレーションはしていないから、気軽に入れ替えられる。(笑)
使えるコンパクトエフェクターは 26 種類、必要なものは揃っている。
もちろん、好みの問題で、使えないものもあるだろう。そういう時は DAW のミキサーに好みのエフェクターをインサートするしかない。このボードには他の普通のプラグインエフェクターを入れることはできないのだ。
しかし、たかがコンパクトエフェクターとはいえ、実機を26個も買ったら、かなりな散財になる。1個1万円としても、26万円もする!(笑)
それが、たかだか2万円のバンドルのうちのごく一部にバッチリ揃っているなんて、夢のような話ではないか!👍
そして、アンプだ。
GTR Amp
画面表示はアンプヘッドのみだが、よく見ればわかるように、スピーカーキャビネットとマイクも選べる。
AMP TYPE はベース用を含み5カテゴリー、計37種類のキャラクターを選べる。カテゴリーを変えると、色も変わる。写真は カテゴリーが Clean で金色だが、例えば Bass だと銀色になる。
スピーカーキャビネットはベース用を含み23種類 + NoCabinet の24種類。
マイクは6種類、それぞれにオンマイク、オフマイクがあり、計12種類だ。
つまり、総計 37×24×12=10,656種類もの組み合わせが可能なのだ!(笑) いや、スピーカーキャビネットは2台でマイクも2本だから……37×24×24×12×12=3,068,928種類!(笑)
このアンプだけでも多彩な音作りができる👍
こんなにアンプヘッドとスピーカーとマイクを揃えようと思ったら、一体いくら掛かるんだ?(^^;
(それぞれ1台1万円として、NoCabinet を差し引いても、(37+23+23+6+6)×10,000=950,000円だ!)(笑)
さて、チューナーとエフェクターとアンプ、それだけでインサートエフェクターを3つも使ってしまうことになるが、実は、これらを統合したエフェクターもあるのだ!
GTR Tool Rack
一見、先程の GTR Stomp 6 と同じように見えるが、よく見ると違う。一番右に Amp というのがある。
これはまさにアンプなのだが(笑)、何と、コンパクトエフェクターと同じように移動できる!
上の写真では6台のエフェクターの後にアンプが接続されているが、エフェクターの間にアンプを挿入することもできるのだ!
試しに移動してみよう。
このように、何台かのエフェクターを通した後、アンプで歪ませ、その後にコーラスやディレイを掛けたりできるのだ!👍
このプラグインのすごいところは、それだけではない。
GTR Stomp にはない機能だが、写真左下の方を見ればわかるが、曲のテンポにディレイタイムなどを同期させることができるのだ!👍
実機のコンパクトエフェクターではあり得ないことが、プラグインだからこそ可能なのである。
つなぎ方も、カスケード・パラレル・スプリットの3種類を選べる。
これは PRE(アンプの前)をカスケード、POST(アンプの後)をパラレルにして、VIEW 表示したところだ。すごいところにコードを刺している。(笑)
GTR のロゴの上にボタンが4つあるが、Amp ボタンを押すと、アンプの表示になる。
先程の GTR Amp では、1台のアンプヘッドから2台のスピーカーに送るようになっていたが、これは2台のアンプヘッドからそれぞれのスピーカーに送れるようになっている。左右に振り分けてステレオにもできるし、両方のパンを中央にすればミックスもできる。
さらに多彩な音作りができるというわけだ👍(もう計算はしない(笑))
そして Tuner ボタンを押せば、チューナーが表示される。
レコーディングの合間に、さっとチューニングできるのだ。
そして、Preset ボタンを押すと、プロが作った101種類もの豊富なプリセットが表示される。これらを試すだけでも、1週間は遊べそうだ。(笑) いろいろ試して、好みの音を見付け、さらに自分でいじってみると楽しいだろう。
では、現在制作中の曲のエレキギターの音がイマイチだったので、この GTR Tool Rack に差し替えるついでに、デモを作ってみた。
これを元にこれから音作りするつもりだが、まずはほぼプリセットのまま聴いてみよう。
プリセットは、39 番の 70s Rock を選択。
これが使用するエフェクターだ。なお、プリセットではゲートと EQ 以外はオフになっていたが、ここではデモらしく(笑)全部オンにした。
アンプはキャラクターの違う2台をミックスしてある。画面中央の上に緑色のランプが点灯しているのは、LINK ボタンだ。これがオンだと、2台のうち片方のツマミを動かすと、もう片方も一緒に動く。こういうのも、実機には不可能な機能だ👍
それでは、間奏のギターソロだけを聴いていただこう。使用したギターは、エピフォンの新型レスポール。(このリンクが「売却済」になっているのは、僕が買ったからだ(笑))
これをネットで見付けてしまったばかりに、エレキギターの自作は中断に追い込まれた。(笑)
Epiphone エピフォン エレキギター Les Paul Standard Plus Top Pro HCS
右利きの方は、こちらからどうぞ。
コイルタップ(ハムバッキングとシングルコイルを切り替えられる)付きのモデルだが、フロントもリアもハムバッキングにした。
ピックアップはミックス、どちらもボリュームは10、トーンは0にした。
何ともリアルな歪みとエフェクトだ!
雑な演奏に聴こえるが、プロが弾いても、ソロで聴くとこんなもんだ。(笑)
これが実際の曲でどうなるかは、完成してのお楽しみだ。(^^;
このページで紹介したエフェクターの他にも、ギター・ベースで使えるエフェクターはたくさんあるが、ここでは WAVES 社がギター・ベース用と謳って作った GTR シリーズだけに留める。
しかし、これらも他の楽器やボーカルにも使うと面白いだろう。
「このディレイがいいんだよね」とボーカルに掛けたり、「このコンプでないと」とスネアドラムに掛けたり、「このアンプでちょっと歪ませると気持ちいいんだよね」とオルガンに掛けたり……。
ビートルズも、ハモンドオルガン専用のスピーカーであるレズリーを、ボーカルやエレキギターに掛けたりしていた。
エフェクターに、ルールなどないのだ。ギター用ということに捉われることはない。
誰も聴いたことのない音を出したり、自分ならではの音を探求したり……、今は、昔ほどお金を掛けずにいろいろなエフェクターを手に入れ、取っかえ引っかえ試すことができるのである。素晴らしい時代が来たものだ。
僕が尊敬するエンジニアの一人、ボブ・クリアマウンテンはこう言った。
「とにかく、いろいろ試してみることだ」
……名言である!(これは、マイキングの話をしてる時の言葉であるが、全てに通じることだ)
本来、ギタリストの足元のエフェクターボードやギターアンプのツマミなど、スタジオのエンジニアが触れられるものではないが、DAW なら思う存分触って試せるのだ。
こんなに楽しいことはないではないか!?