僕の音楽ルーツ(その1)

僕はいつから音楽好きだったのだろうか?( って、いきなり聞かれても、ほとんどの人は困ると思うが…(笑))

 

物心付く前からだったのは、間違いない。

物心付いた時には、すでにおもちゃのピアノやタイコで遊んでいたし、父のステレオセットでレコードや8トラックテープ(!)を聴き漁っていたのだ。

 

父のレコードコレクションには、古賀政男アントニオ古賀の哀愁のギター、誰だか憶えていないが外国人の哀愁のトランペット、クレイジーキャッツの総天然色ソノシートシリーズ(笑)、五木ひろしなどもあったが、僕はそれらは目もくれず(笑)、クラシックのレコードばかり聴いていた。

 

クラシックのレコードはそんなに多くなかったが、僕はその中でも3枚のレコードを、今の言葉で言うなら「ヘビロテ」で聴くようになっていた。

 

1枚目は、なぜ3~4歳の子供の気を惹いたのかよくわからないが(笑)、ボロディンの《ダッタン人の踊り》(オペラ「イーゴリ公」より)だった。 


ボロディン オペラ「イーゴリ公」より「韃靼人の踊り」 - YouTube

コンパクト盤のA面に収録されていたが、B面には何が入っていたのか、全く憶えていない💦

それほど、この曲ばかり聴いていた。親からは、「またそれ聴いてるの?」と呆れられたくらいだ。(^^;

 

一体この曲のどこに惹かれたのだろう?

その後パタッと聴かなくなってしまい、どんな曲だか忘れてしまったくらいだが、今 YouTube で聴き直すと、哀愁を帯びた異国情緒あふれる旋律と、緩急コロコロ変わる曲調が好きだったのだろう。そして終盤(上の動画の8'17~8'29")の弱音器を付けたチェロの旋律も好きだったようだ。

弱音器を付けたストリングス、特にチェロの音は今でも好きだ。それは、この幼児体験が元だったのだと、今改めて気付いた。だからだろう、ストリングスの音源にそれが入っていないと、ガッカリする。(笑)

 

パタッと聴かなくなったのは、あとの2枚がお気に入りになったからだろう。

 

2枚目は、クラシックのド定番カップリング(レコード業界では「ドル箱カップリング」とも呼ばれた)レコードだ。

ベートーヴェン 交響曲第5番 ハ短調 作品67《運命》シューベルト 交響曲第8番(現在、第7番)ロ短調 D.759《未完成》

youtu.be

◆ベートーヴェン 交響曲 第5番 【運命】 カラヤン指揮 ベルリンフィル◆ - YouTube

 

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交響曲第8番《未完成》(シューベルト) - YouTube

2曲とも好きだったが、《未完成》は子供にはやや退屈だったようで(笑)、《運命》の方をよく聴いた。

 

よほどベートーヴェンが気に入ったのか、やがてコレクションの中からベートーヴェンの別のレコードを見付け、それを聴き入るようになった。

これもコンパクト盤で、ピアノソナタ1曲が両面に分けて収録されていた。

ベートーヴェン ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 作品27-2 『幻想曲風ソナタ』……《月光》という愛称で親しまれている曲だ。

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wilhelm kempff plays beethoven's Moonlight sonata complete song.wmv - YouTube

 

僕があまりにもクラシックのレコードばかり聴くので、親は22枚組のクラシック名曲 LP レコードのセットを買ってくれた。(なぜか、主婦の友社よる、ドイツ・グラモフォン音源を用いた編集・販売だった。音楽之友社ではなく(笑))

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冊子だけ現存している。

 

僕は喜んで全部聴いたが、すぐに2枚に絞られた。それは、

 

ベートーヴェン 交響曲第5番《運命》/シューベルト 交響曲第8番(現在、第7番)《未完成》

ベートーヴェン 三大ピアノソナタ 第8番《悲愴》14番《月光》23番《熱情》

 

……だった。(笑)

高価なセットだったと思うが、ほぼ無駄な買い物だったのだ……m(_ _)m ゴメンナサイ...

むしろ、ベートーヴェン交響曲全集とピアノソナタ全集の方が、僕の身のため・親の財布のためになったはずだ。(笑)

(このブログでいつたどり着くかわからないが、大人になってから自分でCDを買うことになる)

 

交響曲の方はただ聴くだけだったが、ピアノソナタの方は、聴いてるうちに弾きたくなってきた。いや、これは神様が僕に弾けと言っている!(笑)

 

 「ピアノ習いたい!」

 

と親に言ったのは、まだ4歳の時だった。

おもちゃのピアノがあったが、白鍵しかなかった。黒鍵はそれらしく黒く塗ってあるだけだった。(笑) それどころか鍵盤が4歳の子供でも思うほど、小さかった(^^;

ピアノを習いたいということは、つまり、「本物のピアノを買ってくれ」と言ってるのに等しい。(笑)

両親は、おそらくよく話し合った上で、まずおもちゃの電子オルガンを買ってくれた。ちゃんと黒鍵があるが、しかし単音しか鳴らず、1オクターブ半か2オクターブ程度の鍵盤数だったし、今で言う「ミニ鍵盤」よりもさらに小さかった。これでは、ベートーヴェンソナタは弾けない!(笑)

 

そんな状態で少し過ごしていたが、ある日母がこう言った。

 

「来週からピアノ習いに行くよ」

 

僕はどんなに喜んだことか!

で、教室に行って申し込んだ帰りだったらしく、教本を僕に渡してくれた。

それから1週間、母の指導の元、教本で練習していた。楽譜の読み方は、すでにおもちゃのピアノを弾いている時に教わっていたのだ。

始めの方の曲は、楽譜は1段しかなく、右手で旋律を弾くだけだったので、おもちゃのオルガンで充分だった。

 

……そして、1週間経った。

 

あまりにも楽しみにしていたので、長い1週間だった。

母に連れられて教室に行き、レッスン室に入り、ピアノの前に座ろうとすると、「こっち、こっち」と手招きされ、見たことのない楽器の前に座らされたのである。

 

(つづく)

 

次回

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