過去の作りかけの曲を晒してみたり(笑)
僕は、基本的には作りかけの曲を人に聴かせることには、抵抗はなかった。
しかし、今はそうではない……特に、人の手元に残る形で渡したくない。
なぜかと言うと、相手はそれを聴き慣れてしまい、次の工程ができた時や完成させた時、「違和感がある」「前の方が良かった」などと言われてしまうからである。
まあ、無理もないと言えば無理もない。名プロデューサーのジョージ・マーティン卿ですら、ビートルズの「『Strawberry Fields Forever』は、最初の弾き語りのデモが一番良かった」と発言しているのだから……。
「これまでの努力は、何だったんだ!?」……と思ってしまう。
まあ、たいがい後になって新しい方を聴き慣れると、相手も「こっちの方がいい」と言ってくれるようになるのだが……。
そういうことを、18年前にCDを作った時、主催者に何度か言われたので、すっかり嫌になってしまったのだ。(^^;
そんな経験のため、今はすっかりトラウマのようになっていたのだ。
しかし、だ……。
今後、音楽をやっていく上で、このトラウマは克服していかなければいけない、そうしなければ誰かと共同で制作したり、依頼を受けてやっていくことはできない……そう痛感するる出来事が最近あり、そのために、敢えて過去の作りかけの曲を晒していこうと決意したのである。
1996年に、それまでの作りかけの曲の中からマシなものを選んで作ったCD「BETTER ALBUM 1996」(全19曲)を、最近探し物*1をしていたら発掘した。
なぜ当時、そんなアルバムを作ったかというと、それまで使っていた Macintosh SE/30 が急に起動しなくなってしまったからだ。
今でも新品同様!
修理見積をしたが高額だったため、時代遅れになりつつある物を修理するより、最新の PowerMacintosh 8500/120 に買い替えることにした。
データのバックアップは全て外付けハードディスクに取ってあったため助かったが、その Mac が届くまでの間 何もできないので、このアルバムの編集に没頭したのである。
そしてカセットテープと MD で作って友人達に配ったところ、友人の一人が zip ディスク(過去の遺物だ……💦)のマスターから CD-R に焼いてくれたのだった。
今、久しぶりに聴いてみると、作りかけだがなかなか良くできていたことに驚いた。
確かに、相手のオーディオ事情に合わせ3メディア作って(笑)人に配っていたくらいだから、作りかけでも(ライナーノーツと称した言い訳を添えて(笑))人に聴かせられる自信があったわけだ。
前出のCD作りの主催者は、これを聴いてくれた上で、僕に話を持ちかけてきたのである。
そして今でも、これらの曲は人に聴かれても(作りかけだと承知してくれるなら)恥ずかしくない。だから、どこかにアップしたかった。
しかし、この「BETTER ALBUM 1996」には、著作権・録音物使用権の問題がある曲がいくつか含まれるため、サウンドクラウドにはアップできずにいたが、YouTube なら、著作(権利)者に広告収入が入ることで許可されるという契約を各所と結んでいるので、アップできる(何でも、というわけではない)。
そこで、静止画だけでも付けて動画を作りたいと前々から思っており、スマホアプリで試していたが、操作が煩わしかったので、できずにいた。
今やっと時間に余裕ができたことと、前述のように決意したことも重なったので、パソコンに編集ソフトをインストールして、簡単な動画(ほぼ使い回し(笑))にして1日1曲ぐらいのペースでアップしている。
今日で6曲、まあ、ほどよくたまってきたので、ここで紹介させていただこうと思う。
1. 弦楽四重奏曲 ト長調《祝典》第一楽章「アレグロ」(オリジナル)
1曲目。
新築を記念してモーツァルトっぽく作曲したもので、第二~第四楽章はまだ頭の中。
いい音源がなかったので、弦楽合奏の音にしてしまった。
しかも、鍵盤手弾きそのまま……あ、クオンタイズ(タイミング修正)だけは掛けたが。(^^;
作曲・MIDI演奏:宮崎昭治
2. チャイコフスキー 交響曲 第6番 ロ短調 作品74《悲愴》第1楽章より「アンダンテ」(クラシック・オリジナルMIDI演奏)
第二楽章を並行して打ち込んで、そちらは完成したが、有名なこちらをCDに収録。
1曲目と違い緻密にエディットしたが、音色は良くないし、バランスも悪いし、第一楽章は途中までなので、作りかけ……。
……なのに、この動画をアップしたこところ、何かのCDセットに含まれる演奏に酷似しているらしく、著作(録音)権侵害の申し立てが。(笑)
もちろん異議申し立て(もう慣れた……クラシックの曲を自分で演奏したのに、著作権侵害!? - Shojiの日々是前進... 参照)をしたが、本物のオーケストラの演奏と区別がつかないほどの打ち込みクオリティーだ、とのお墨付きをいただいたようなもので、光栄だ。(笑)
3. Help!(カバー・カラオケ)
3曲目からはポピュラー音楽。
ビートルズの「Help!」のカバー。
ボーカル・コーラスを入れていないのだが、それだけではなく、アコギのコードのポジションが何か所か違い、原曲は12弦なのにこれは6弦(エフェクターでごまかした)、アコギのボディーを叩く音のサンプルがなかったのでタムで代用……など、作りかけ感満載。(^^;
なお、ビートルズのコピーは「Lady Madonna」もあったが、エレキギターとサックスをまだ入れていなかったので、収録時間の都合で全パートが一応入っているこちらに軍配が上がった。
4. さかさまつげ(オリジナル)
ここからはオリジナル曲が続く。
音楽関係の専門学校時代、女の子バンドに提供しようと作った曲だが、歌詞が一部しかできないまま卒業してしまい(笑)、お蔵入りになったが、未練がましく打ち込みでオケだけ作ってみた。
この時は貧弱な音源しか持っておらず、エレキギターの音のショボイこと……(^^;
ちなみに一部の歌詞とは、冒頭の「さかさまつげが 痛いのよ」と、サビの「ちく ちく ちくちく ちく ちくちく」、2番の冒頭「待ち合わせした 喫茶店 あなたの顔を見たいけど さかさまつげが痛いから」だけ。(笑)
どなたか、歌詞を完成させてください! ……と言いたいところだが、後年テレビ番組のBGMで、この曲のイントロにそっくりな曲(曲名わからず)が掛かっているのを聴いてしまったので、完全お蔵入り確定……( ノД`)シクシク…
でもアップしてしまう。(^^;
作曲・編曲・MIDI演奏:宮崎昭治
5. Dream Singer(オリジナル)
見たことのない、美しい女性歌手が歌っている夢を見て、目が覚めたらこの曲が出来ていた。
「実在するかどうかわからないけど、もしいるなら僕の目の前に現れておくれ」、といった歌詞を付けたいのだが、英語の歌詞にしたいがそんなに英語力はないので、できず。(^^;
しかも、当時よく聴いていた某海外シンガーソングライターの曲に似ている箇所があり、お蔵入り……。(笑)
アコギの打ち込みに初挑戦したが、この時は Roland の MC-500 (MK-II) を使っていたので、かなり苦労した記憶が……。(^^;
こんな小さい液晶画面でアコギの打ち込み・エディットなんて、考えただけでもゾッとする。(笑)
……っていうか、まだ持ってるなんて……(^^;
ちなみに MK-II にバージョンアップしてある(と言っても、誰もわからないか……)。
作曲・編曲・MIDI演奏:宮崎昭治
6. They Were Not(オリジナル)
タイトルと、冒頭の話し声には意味はない。(笑)
スペイン系のアメリカ人が作った曲、というイメージで、スパニッシュ・カントリーという新しいジャンル(?)を開拓。
前の曲で味をしめ、アコギの打ち込みに磨きを掛けようと作った。
あとはフラメンコギターとカスタネットを入れればオケは完成だが、放置状態……。(((((^^;
作曲・編曲・MIDI演奏:宮崎昭治
最後に(まだ途中だが)、このアルバムをCD-Rに焼いてくれた友人へ。
おかげで、今こうして CD-R から MP3 ファイルを作り、これらの曲が陽の目を見ることができたことを、あらためて感謝したい。
これがなかったら、DAT テープの発掘から始めて、曲を取り込み直さなければいけなかったところだ💦